設備屋のブログ

建築設備屋の日常の疑問点や、資格の勉強等のメモ書きです。建築設備士合格目指してます。

外気冷房の採用

 

 

省エネの手法で外気冷房の採用が挙げられますが、

当然ながら採用に当たってメリット・デメリットがあります。

それらを紹介していきます。

 

そもそも外気冷房とはなにか

→冷房目的で外気を取り入れ、本来エネルギーを用いて冷房していたところを

外気導入するための動力のみで冷房を行うことを言います。

冷却コイルがないため、導入にあたって乾球温度および、比エンタルピーにおいて上限・下限が存在します。

 

外気冷房の説明の前に、通常時外気を導入すると、室内環境がどのように変化するかを記載します。

通常の夏季の外気条件であれば、乾球温度36℃相対湿度60%程度となります。

つまり、室内空気(26℃50%)に対し負荷(=昇温)に当たりますので、

通常であれば最低の外気量とし、なるべく導入しない制御とするのが王道にあたります。

例)室内CO2量制御など

 

今回取り上げる外気冷房は、換気負荷にならない範囲で外気を取り入れて

熱源機および空調機の冷却コイル負荷や、搬送動力の削減を行うものになります。

空気線図では下図のように表されます。

赤線の範囲内が凡そ外気冷房有効範囲となります。

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この図から読み取れるように、夏季のピークなどは到底導入不可能で、

中間期のみ採用が可能となっています。

現状の日本国内では年間40%の期間に相当する時間外気冷房が有効=熱源起動時間削減可能となっています。

結論としましては、安易な外気導入は負荷の増大に繋がりますが、

有効な制御を行い、導入することで環境負荷低減を行うことが可能になります。

 

以上です。